ルパン三世 TVSP第1弾 『バイバイ・リバティー・危機一発!』について
僕の小さな自慢なんですけど、ルパン三世のアニメ全部観たんですよ。
2017年現在で映画が8本とテレビスペシャルが25本、テレビシリーズが第1~第4までとスピンオフが1本、コナンとのコラボが2本、OVAが数本。
OVAだけ数をぼやかしてるのはインタビュー集とパロディアニメも含まれているからです。
その2つは、おそらく僕は繰り返し観ないのでレンタルで済ませたかったんですけどどこにも置いてないんですよね…。
それはそうとして、今回書きたかったのは僕のバンドの名前の由来でもあるテレビスペシャル第1弾 『バイバイ・リバティー・危機一発!』についてです。
自由の女神像に隠された世界最大級のダイヤモンド、スーパーエッグと、コンピューターウイルスを操作する事ができるニューウイルスをかけて秘密結社スリーメイソンと戦う話なんですけど、所々難解な部分や投げやりな部分もあるため「解釈力」とでも言うような自分自身を納得させる力が試されます。
さらにはスーパーエッグが盗まれた時期と隠された時期が合っていなかったり、ニューウイルスがウイルスを操作する描写が無かったりと矛盾や蛇足的な設定もあります。
現代作品に慣れていると、設定の矛盾やキャラクターの言動に一貫性が無いことに違和感を感じてしまいますが、30年近く前の作品ということで少し多めに見て、粗探しをするような減点方式でなく加点方式で視聴すれば入り込みやすいはずです。
次元が高架橋の下で敵と対峙するシーンなんかは、次元がいかに早打ちに長けているかというところがオサレに描かれていて毎回巻き戻して観るぐらい好きです。
ルパン作品はとても長く監督も様々なためシリーズごとに顔も性格も違います。
それを利用して「ルパン三世は1人ではなかった」という設定のOVA作品もあるぐらいです。
だから自分のイメージと違うだけで「こんなのルパンじゃない」というような批判をするのは野暮だと僕は思います。
好きなルパンを探すことができるのもこのシリーズの魅力なので、ぜひレンタルビデオショップに立ち寄ったらルパンコーナーにも行ってみてくださいね。
書店でもテレビスペシャルが2本で1000円で購入できるルパン三世イッキ見スペシャルが販売されているのでそちらもお勧めです。
また気が向いたら更新します。
8月12日 enn 2nd
昨日はenn 2ndでライブでした。ご来場ありがとうございました。
ゴッチの本について
死ぬまでに1回ぐらいは本屋で大声出してみたいですよね。
本屋でたまたま見かけた僕が急にリライト歌い出したら面白くないですかね。
そんなことを微塵も考えずに立ち寄った本屋でゴッチの新しい本を見つけました。
『YOROZU~妄想の民俗史~』という短編小説集です。
ゴッチが無表情で三味線を弾いてる表紙のイラストがとてもいい感じ。
ASIAN KUNG-FU GENERATIONは中学生の頃から好きで、高校生になって組んだバンドでも大学の軽音部でもたくさんコピーをしました。
初期の曲も最近の曲も満遍なく好きですがアルバムとしてはサーフブンガクカマクラが1番好きです。
江ノ島電鉄線の駅名にちなんだ曲だけで構成されていて、好きすぎて江ノ電に乗って途中下車しまくる変な観光の仕方をしてきました。
去年の夏ごろです。
ちなみにこの時のTシャツはLUNKHEADでタオルはKEYTALKです。
それぐらいアジカンが大好きです。
Vo.Gt.のゴッチはツイッター等で政治に関する内容も多く発信していて、それが嫌だという人も少なからず見受けられました。(もちろん何をやっても嫌だと言う人は出てくるのですが)
僕はゴッチの政治的な発言はあまり好きではありませんでした。
理由を自分なりに考えてみたのですが、好きなバンドのフロントマンが率先して意見の分かれる発言をして一部の人に悪く言われているのが嫌だったのかもしれません。
自分の事なかれ主義的な考え方のせいだったのかなとも思います。
彼に対する考え方が変わったのは前著、『何度でもオールライトと歌え』を読んでからです。
その中で、「デモに参加するのは怖いけど自分の意見が声に出せなくなるのはもっと怖い」といった内容が書かれていました。
マスメディアの情報に踊らされることなく、自分の足で被災地を巡り、法律関係の知識もつけた上で彼自身の言葉を発信していたんだなと思うと、理由も曖昧なままゴッチの好きな部分嫌いな部分の線引きをしていた自分が恥ずかしくなりました。
僕が何となく嫌に思っていた部分で、こんなにも東北とこれからの日本のことを真剣に考えてくれていたんだと気づきました。
『何度でもオールライトと歌え』は読んでよかったと思える本の中でもかなり上位に入るので是非多くの人に読んで欲しいです。
最終的にゴッチのことを好きになれなくなったとしても、自分の考えを自分で理解できるということは決して悪いことではないように思います。
現に僕もファンだからといって100%盲信してる訳ではありません。
今回の『YOROZU~妄想の民俗史~』もまだ最初の方しか読んでいませんが、ゴッチのユーモアが凝縮されていて僕の好きな本のランキングがリライトされること間違いなしです。
『ドグラ・マグラ』について
最近電子書籍にも手を出してみました。
スマホにダウンロードすれば持ち運ぶ手間もかかりませんし、読み終わった後の置き場所や処分に困らないのは大きなメリットですね。
しかも著作権切れの本であればAmazon Kindleから無料で読むことができます。
こういった本の電子書籍化にあたっては青空文庫からボランティアの方々がやってくださったそうなのでありがたい限りです。
僕はドグラ・マグラを以前から読みたいと思っていたので、購入する前に無料の電子書籍版を見つけることが出来たのは少しラッキーでした。
この小説はジャンル的にはミステリーに分類され、精神病院で目覚めた記憶喪失の青年が自分の記憶に関わっているとされる事件を探っていく、というのが大まかな内容です。
こう説明すると、普通の探偵小説とあまり違わないように思われますが、ドグラ・マグラの特徴は中盤に挿入されている物語の奇妙さにあります。
主人公は記憶を探る過程で、精神科学の研究をしていたある博士の遺書を発見します。
その中には彼の論文やインタビュー記事、狂人に関する歌などが書かれています。
このパートが信じられない程に長いです。
長いと聞いて予想される2倍3倍はあるのではないかと思います。
さらにもう1つの大きな特徴は明確な主人公が設定されていないことです。
これは読者の中でも意見が分かれる所のようです。
有力な説の1つに「主人公=記憶喪失の青年」説があります。
僕が最初読み終わったときに考えていたのはこの説です。
少し引っかかる所はありましたが、良く言えば素直な読み方の1つだと思います。
そして2つ目は「主人公=読者」説です。
これは作中で、主人公が「ドグラ・マグラ」という本を手にした事を1つの根拠にしています。
登場人物の説明によると、作中の「ドグラ・マグラ」は狂人の青年が1週間寝ずに書き上げた世界でも珍奇な小説であり、理解するには繰り返し読まなくてはいけないが、理解する頃には気が狂ってしまうといういわくつきの本です。
人物や内容が一致している点からドグラ・マグラと作中の「ドグラ・マグラ」は同じものであるとし、ドグラ・マグラの世界に入り込みその内容に混乱する読者こそが、記憶を失った主人公であるという考え方です。
ちなみに「ドグラ・マグラ」の説明をするくだりで今後の話の展開と終わり方が明かされてしまいます。
つまりネタバレされる訳ですが、この作品に限っては殆ど影響はありません。
こういった話の作り方も奇書と呼ばれる所以なのだと思います。
そして3つ目は「主人公=青年の許嫁の胎児」説です。
突拍子もない説のようですが僕にはこの考え方が1番しっくりきました。
これは作中の「胎児の夢」という論文を根拠にしています。
胎児は母体の中で単細胞生物以来の進化の過程を繰り返しており、その記憶を夢として見ているというものです。
つまり主人公はまだ生まれてもいない赤ん坊であり「胎児の夢」を見る過程で青年の記憶を見ているのです。
記憶喪失の青年の記憶が完全に戻り、許嫁と結婚して、子供が出来てその子の夢オチだったら幾分救われると思うので、救われてほしい僕はこの説を推します。
ドグラ・マグラは決して1回読んだだけで理解出来る小説ではありませんし、今回文章の都合上言い切った部分にも僕の読み違いや矛盾点、他の解釈も沢山あります。
読み返せばまた違う発見があって違う捉え方も出来ると思います。
このブログでもネタバレはしていますが、これを先に読んだぐらいでは混乱するのは免れない内容だと思うのでぜひ頭を痛くしてみて下さい。
ちなみに混乱してきたらノートに登場人物や怪しい所、特に中盤では今何を読んでいるのかなんかを書き出しておくと次回読む時に無駄な混乱が起きないのでオススメです。
『いちご同盟』について
先日書店をふらふらしていて目に止まった文庫本を買いました。
『いちご同盟』というポップなタイトルとシリアスそうな内容に惹かれました。
僕にとって、小説でも映画でもなんでも、好きになるかは感情移入できるかどうかに掛かっています。
例えば共感できる魅力的な登場人物がいればその作品を観るのにも熱が入り、その作品の良いところを探しながら観たり読んだりできます。
1度そのスイッチが入れば、少しぐらい納得のいかない部分があっても総合的に嫌いになることはありません。
他にも、ストーリーやテーマを面白いと思えたり、好きな作家の作品だったりというようなきっかけがあれば、良いところを探しながら読んでいく結果として登場人物に感情移入していくこともあります。
順番がどうあれ、感情移入できるかというのと好き嫌いは切り離すことができません。
これはバンドやライブに関しても同じことが言えると思います。
本の話に戻りますが、僕はこの小説のセリフ回しと描写がとても好きでした。
特に、入院中の女の子が身体の一部を切除することを主人公に打ち明けるシーンと、彼女の父親が家族の話をするシーンが素敵でした。
僕は自分のバンドの作詞作曲をしているのですが、最近歌詞の方が思ったように書けずに中途半端な曲が溜まっていました。
そんな時に自分が好きだと思える表現に触れられただけでも十分読んだ価値がありましたし、さらに好きな1冊として本棚に加えることもできたのは良かったです。
たまには直感で本を買うのもいいですね。
ところで僕はいわゆるNTRが苦手なんですけど、感情移入し始めた次のページぐらいでNTR要素が入ってきたのは少し辛かったです……話の流れとしてはある意味自然だったんですけどやっぱりダメなものはダメですね……。
ページをめくる手をとめて
数年に1度の読書ブームが来ています。
1度目は小学生の時に夢中になって読んだハリーポッター。
2度目は中学生の時に流行りに乗って読んだデルトラクエスト。
3度目は高校生の時に勧められて読み漁った乙一。
4度目は大学生の時に「日本人ならこれぐらいは」と思って読み始めた夏目漱石や太宰治。
これまでどのブームも通り雨みたいに突然始まっていつの間にか終わっていました。
僕は趣味と言えるようなものが人より少ないんじゃないかと思って、意識的に増やそうとしていた時期がありました。
本当は人より趣味が多いか少ないかなんて大した問題ではないのかもしれませんが、好きなものが増えたことで楽しみが増えたり、それを通して仲良くなれた友達がいたりと結果的には良かったと思っています。
読書に関しても、せっかくまたブームが来たからには今度は趣味の1つとして精々長く付き合っていくつもりです。
このブログは僕が好きなことをしている合間に好きなことを書いていくので、ぜひ何かの合間に見に来てくださいね。