『いちご同盟』について
先日書店をふらふらしていて目に止まった文庫本を買いました。
『いちご同盟』というポップなタイトルとシリアスそうな内容に惹かれました。
僕にとって、小説でも映画でもなんでも、好きになるかは感情移入できるかどうかに掛かっています。
例えば共感できる魅力的な登場人物がいればその作品を観るのにも熱が入り、その作品の良いところを探しながら観たり読んだりできます。
1度そのスイッチが入れば、少しぐらい納得のいかない部分があっても総合的に嫌いになることはありません。
他にも、ストーリーやテーマを面白いと思えたり、好きな作家の作品だったりというようなきっかけがあれば、良いところを探しながら読んでいく結果として登場人物に感情移入していくこともあります。
順番がどうあれ、感情移入できるかというのと好き嫌いは切り離すことができません。
これはバンドやライブに関しても同じことが言えると思います。
本の話に戻りますが、僕はこの小説のセリフ回しと描写がとても好きでした。
特に、入院中の女の子が身体の一部を切除することを主人公に打ち明けるシーンと、彼女の父親が家族の話をするシーンが素敵でした。
僕は自分のバンドの作詞作曲をしているのですが、最近歌詞の方が思ったように書けずに中途半端な曲が溜まっていました。
そんな時に自分が好きだと思える表現に触れられただけでも十分読んだ価値がありましたし、さらに好きな1冊として本棚に加えることもできたのは良かったです。
たまには直感で本を買うのもいいですね。
ところで僕はいわゆるNTRが苦手なんですけど、感情移入し始めた次のページぐらいでNTR要素が入ってきたのは少し辛かったです……話の流れとしてはある意味自然だったんですけどやっぱりダメなものはダメですね……。